1兆ドルコーチは全ビジネスマンのための本
エグゼクティブへコーチングをしてきたエッセンス満載
ビル・キャンベルという人の名前を聞いたことがあるでしょうか?
ほとんどの人がNoと答えると思います。
ではラリー・ペイジ、セルゲイ・ブリン、エリック・シュミットと聞いたら、少しわかる人が増えるかもしれません。
Googleの創業者たちです。エリック・シュミットはプロ経営者としてラリーとセルゲイに招聘された人です。
ジェフ・ベゾスはどうでしょうか?
Amazonの創業者です。
こうした名だたる企業の「コーチ」として活躍したのがビル・キャンベルです。
「ビルの貢献をすべて合わせると、コーチした企業の株主価値は2兆ドルにもなる。こんなことは歴史上、誰もしたことがない」とエリック・シュミットは語っています。(シリコンバレー・ビジネスジャーナル 2019年4月16日付)
コーチという役割
そもそも日本において「コーチ」という役割はあまり認識されていないかもしれません。
海外のエグゼクティブと呼ばれるエライ人やすごい人はだいたい「コーチ」をつけています。
外資に働くエグゼクティブと呼ばれる人も「コーチ」をつけているケースがあります。
それもそのはず、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツやFacebookのマークザッカーバーグや前段のすごい人たちも皆コーチをつけています。
米国では大企業の約8割以上が人的資本開発にコーチングを導入しているという話もあります。
また、ビル・ゲイツは「みんなコーチを必要としています(中略)フィードバックを与えてくれる人は誰にとっても重要です」と言っています。
エリック・シュミットに至っては「今まで私が受けたアドバイスで最も良かったものは「あなたはコーチをつけるべき」ということでした」とまで言っています。
このようにコーチの重要性やフィードバックの重要性は世界の名だたる人々も理解をし、その重要性を伝えています。
なぜコーチングが必要なのか
理由はとてもシンプルです。
「自分では自分のことは見えない」からです。
どれほどの天才であっても自分を客観視する方法はフィードバックをもらうこと以外ありません。
そのことを理解しているからこそ、超がつく一流の人々もコーチをつけるのです。
1兆ドルコーチ――シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え
1兆ドルコーチはどんな作品か
ビル・キャンベルがどういう人でどんなコーチングで人々を導いてきたか、多くの関係者と事実を元に事細かく書かれています。
自己啓発本とは一線を画したリーダーシップとはどうあるべきかという内容だと私は咀嚼しています。
リーダーシップというのはエライ人に宿るものではないです。
リーダーシップとは個々人の中にあるものです。
人を正しい方向に導くというのが私はリーダーシップだと思っています。
ちなみにビル・キャンベルという人はアメリカン・フットボールのコーチ出身です。
ビジネスマンとしても経営者として成功しています。
彼は2016年4月18日に亡くなっています。
彼はシリコンバレーに多大なる貢献をしてきました。
物語は彼が亡くなったところから始まります。
そうそうたるメンバーがお別れのために集まってきます。そこから物語は始まります。
本の中の章は大きく分けて6つに分かれています。
1兆ドルコーチ本の中身
- ビルならどうするか?
- マネージャーは肩書きが作る。リーダーは人が作る
- 「信頼」の非凡な影響力
- チーム・ファースト
- パワー・オブ・ラブ
- ものさし
ありきたりな自己啓発の本とは異なり、視点が経営者と経営者の視点です。
経営者の視点で経営者をコーチングをしている様子から、どのようなリーダーシップの像が正しく組織に作用をするのか。
またどうやって人間として成功をするのかという点に触れていきます。
外資では一般的な1on1(上司と部下が1対1で定期的にフィードバックセッションを持つこと)についても具体的なフレームワークが書かれています。
組織に作用をするために「部下が実力を発揮し、成長できるよう手助けをする」という名目のもとフレームワークが考えられています。
私も日々実践している身でしたが改めて考えるとまだまだ視点が足りないなと思うこともありました。
また、全体を通して常に人として正しく人を導くことの重要性を訴えているとも感じました。
正しく人を導く、または正しく人を巻き込むにはどうしたらいいのか、合理的かつ人間味あるアプローチを詳細に渡って書いています。
それが「チーム・ファースト」という章でもわかるように一人のプレーヤー(天才)として立ち向かうのではなく、チームで闘うことの重要性と成すべきことを説いています。
1兆ドルコーチ――シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え
読んで欲しい読者
この本は基本的に全ビジネスマンに読んで欲しいと思っています。
学生の方が読むのも面白いと思いますが現実とかけ離れすぎて、フィクションのように感じるかもしれません。
学生の方が一度読み、社会人になったあともう一度読むのも良いかもしれません。
また、自分が圧倒的に優れていて組織に多大な貢献をしていると思っている人にも反対に未熟だと思っている人にも読んで欲しいです。
どちらにも伸びしろを感じてもらえると思います。
読んで欲しい読者層
- 全ビジネスマン
- 自分が圧倒的に優れていると思っている人
- 自分がまだまだ未熟だと思っている人
1兆ドルコーチまとめ
私は外資の中でWikipediaに出てくるようなすごい優秀な人々と働いています。
圧倒的に優秀です。
1を言えば10を理解して、問題解決のための次の手を提案してくる。
これが基本のコミュニケーションで常時このコミュニケーションが行われています。
そうした人々もトレーニングを通じて成長をしています。
私も会社の様々なトレーニングを入社以来受け続けており、成長をしようとしています。
その中でもコーチングの類は人を圧倒的に成長をさせます。
一般的な企業の中でそうしたトレーニングの機会やコーチングの機会はなかなかないと思います。
そのコーチングの一端を体験できるのが「1兆ドルコーチ」です。
是非ご一読あれ。
1兆ドルコーチ――シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え
耳より情報
ちなみにaudible版(Amazonのオーディオブック)だと現在30日間無料で体験できますので、耳から本を読むのでOKな人であれば無料でこの本が読めてしまいます。
(参考)
PRESIDENT ONLINE:一流上司は部下の発言にある「でも」の回数を数えている