美しい日本語に触れていますか
藤沢周平の代表作「蝉しぐれ」について
私は毎日の読書習慣自体はないものの読むと決めた時期は比較的かなりの量を読みます。
漫画ではない一般的な書籍や小説は一時期2000冊程度ありました。
現在では子どもの成長とともに一旦売ってしまいましたが読書自体は大好きです。
その中でも学生時代、恩師の一人に「美しい日本語を読むなら何を読めばいいか」アドバイスを求めに行った時に恩師から渡されたのが藤沢周平の「蝉しぐれ」でした。
その恩師は建築デザイナーとして日本でかなり有名な人で私がよく知っている地域のホテルや商業施設、大学などをデザインしてきた人でした。
その人が「藤沢周平の本は良いよ、ぜひ読むと良い」と言って、わざわざ自宅から持ってきて貸してくれた本が蝉しぐれでした。
Wikipediaより概要の説明をしてもらいましょう。
『蟬しぐれ』(せみしぐれ)は、藤沢周平による日本の長篇時代小説。藤沢作品の中でも代表的な小説のひとつである。『山形新聞』夕刊に1986年(昭和61年)7月9日から1987年(昭和62年)4月11日まで連載、文藝春秋より1988年(昭和63年)5月11日に刊行された。
2003年(平成15年)にNHK「金曜時代劇」にてテレビドラマ化、2005年(平成17年)に東宝により映画化された。また、1994年(平成6年)に宝塚歌劇団により舞台化されて以降、大阪松竹座、明治座にて舞台化されている。
(Wikipediaより)
ちなみに藤沢周平の他に有名な作品について触れておくと、「たそがれ清兵衛」、「隠し剣シリーズ」、「武士の一分」などがあります。
藤沢周平は時代小説を書いた作家です。
美しい日本語の重要性
私は母国語である日本語はとても誇らしく思っています。
日本語は世界的にみても学習が難しいことで知られています。
FSI(Foreign Service Institute)という機関が調べた情報によると英語話者にとって日本語は学習するのに最も難しい言語に分類されています。
およそ1年半の学習が必要であるそうです。
理由は簡単です。
英語はアルファベット(A-Z)の26種類しかないのに対して、日本語はひらがな、カタカナ、漢字が存在します。
読み・書きをすることが大変な言語です。どちらかといえば喋る方が簡単かもしれません。
そんな日本語ですが個人的に思うことは日本語の美しさに触れる機会がとても減ってしまっていると感じています。
若者言葉がー、という風に言うつもりはありません。
若者言葉は若者言葉でそれは新しい文化です。新しい文化は尊重すべきです。
ですが新しい文化と同時に本来の文化も我々は大事にするべきなのではないかと常々思っています。
その本来の文化、美しい日本語に触れられるのが藤沢周平の蝉しぐれです。
昭和の時代に誕生した作品だからと言って表現が古いわけではありません。
私はすべての国語の教科書に藤沢周平の蝉しぐれを載せてほしい(光村図書の中学3年生の国語の教科書に載っていたそうです)くらい、綺麗な日本語で書かれた作品だと思っています。
当たり前ですが同今読んでも全く違和感がない日本語です。
藤沢周平「蝉しぐれ」における日本語の美しさ
蝉しぐれは時代小説です。
蝉しぐれの良さはどこにあるかというと藤沢文学と呼ばれる情景がものすごく繊細かつ生き生きと伝えてくれるところだと思います。
冒頭から結末まで一気に読み進めたくなる最高の時代小説です。
読み終えた後、読者の心に美しい日本の情景を残してくれるそんな作品です。
この美しい情景を思い浮かべることができるのは美しい日本語によるものです。
作品の中で一人の少年が家族、友情、恋愛を通じて成長をしていく姿を描いています。
主人公の牧文四郎が少年から大人になるにつれ成長していく様子や殺陣のスリリングな描写があり、今風に言うと時代小説初心者の人にも楽しめるエンターテインメント作品です。
私は時代小説を読んだのが蝉しぐれが初めてでしたが以降様々な時代小説に手を出すきっかけにもなりました。
「騙されたと思って読んでほしい」です。
食わず嫌いな人にとっては特に読んでみてほしいです。
ここまで美しい日本語でここまで素晴らしいストーリーと作品には簡単に出会えません。(駄文の塊のような作品をたくさん読んできたからこそ言えると思っています)
「ここまで美しい日本語を知らなかった」と私は衝撃を受けました。
ご一読される日が来ることを心待ちにしています。
その他蝉しぐれのメディア化
藤沢周平の蝉しぐれはテレビドラマにも映画にもなっています。
テレビドラマ @NHK 2003年
キャスト(テレビドラマ)[編集]
- 牧文四郎 - 内野聖陽(子役:森脇史登)
- 岡崎せつ/牧せつ - 森洋子
- ふく - 水野真紀(子役:伊藤未希)
- 牧助左衛門 - 勝野洋
- 島崎与之助 - 宮藤官九郎(子役:遠藤雄弥)
- 小和田逸平 - 石橋保(子役:久保山知洋)
- 小和田路 - 五大路子
- 小柳甚兵衛 - 斉藤洋介
- 小柳ます - 山村美智
- 矢田淑江 - 鈴木杏樹
- 関口晋助 - 織本順吉
- 山岸昌江 - 大島蓉子
- 青木孫蔵 - 利重剛
- 布施鶴之助 - 海部剛史
- 犬飼兵馬 - 荒井紀人
- 山根清次郎 - 板尾創路
- 石栗つる - 江口ナオ
- 相羽惣六 - 野崎海太郎
- おとら - 比佐廉
- 尾形久万喜 - 常泉忠通
- 藤次郎 - 小林勝也
- 権六 - 江良潤
- 磯貝主計 - 塩見三省
- 石栗弥左衛門 - 石橋蓮司
- 矢田作之丞 - 村上弘明
- 牧登世 - 竹下景子
- 横山又助 - 柄本明
- 里村左内 - 平幹二朗
映画 2005年
キャスト(映画)
- 牧文四郎 : 市川染五郎
- ふく : 木村佳乃
- 牧助左衛門 : 緒形拳
- 登世 : 原田美枝子
- 島崎与之助 : 今田耕司
- 小和田逸平 : ふかわりょう
- 小柳甚兵衛 : 小倉久寛
- 小柳ます : 根本りつ子
- 矢田淑江 : 原沙知絵
- 矢田作之丞 : 山下徹大
- 石栗弥左衛門 : 利重剛
- 相羽惣六 : 矢島健一
- おきみ:中村優子
- 藤次郎 : 田村亮
- 権六 : 三谷昇
- 坂本:深水三章
- 関口晋助 : 大滝秀治
- 青木孫蔵 : 大地康雄
- 犬飼兵馬 : 緒形幹太
- 里村左内 : 加藤武
- 太吉 : 宇賀那健一
- 平太 : 岡野幸裕
- 弥助 : 三木秀甫
- 文四郎(子役):石田卓也
- ふく(子役):佐津川愛美
- 逸平(子役):久野雅弘
- 与之助(子役):岩渕幸弘
- おとら : 渡辺えり子
- 尾形久万喜 : 麿赤兒
- 磯谷主計 : 柄本明
- 田中要次、矢吹蓮、山田明郷、佐藤二朗、蛭子能収、藤貴子、不破万作、西凜太朗、森脇英理子、福澄美緒、芦名星 ほか
藤沢周平蝉しぐれまとめ
細かい紹介はしません。
「美しい日本語と美しい日本情景」を体験したい人は読んでみてください。
人生観が変わると思います。